ウィキペディアの出典に期限はありません。期限が来るのは、その出典が指し示すページのほうです。新聞社がサイトを刷新し、企業が古いマイクロサイトを閉鎖し、官公庁のポータルがアドレスを振り直せば、何年も前の脚注の裏にあったリンクは、やがてエラーを返すようになります。そのリンクが支えていた事実そのものは変わっていません。誰かがそれを引用した当日、その記述は真実であり検証可能でした。失われたのは、アドレスだけです。
ウィキペディアにはこの現象を指す言葉があります。リンク切れ、英語で言うリンクロットです。そして、その扱い方についても明確な方針があります。リンクが切れていることは、アドレスが壊れたという事実にすぎず、出典がもともと存在しなかった証拠にはなりません。InternetArchiveBotをはじめとするボットが、定期的に英語版ウィキペディアの出典を巡回し、URLがまだ機能しているかを確認します。機能していない場合は、Wayback Machineでその出典の日付に近い時点のスナップショットを探します。見つかれば、ボットは引用テンプレートにアーカイブへのリンクを追加し、元のリンクを「リンク切れ」として記録します。何も削除しません。見つからなければ、その出典は人間の確認が必要なものとして印がつけられ、その横の一文は標的になります。
この二つ目のケースを、昨年あるクライアントの記事で実際に見ました。地方の経済週刊誌に掲載されたプロフィール記事が二箇所で引用されていましたが、その媒体がサイトを刷新して過去記事を有料会員限定に移したとき、リンクは切れました。ほぼ一年、誰もそれに気づきませんでした。やがて、スタブに近い状態のその記事を定期的に手入れしていた編集者が、二つの出典をリンク切れとして記録しました。三週間後、まったく無関係な削除依頼が、まさにこの二つのリンク切れを根拠に、この人物についての報道は記事が示すほど厚くない、つまり特筆性が怪しいと主張したのです。元の記事内容は何も変わっていません。変わったのは、その議論を読む人が、二クリックでそれをまだ確認できるかどうかでした。
リンクが切れていること自体は出典を無効にする理由にはなりませんが、検証は難しくなります。出典が失われたと決めつける前に、まずアーカイブされた版を探してください。
実務上の習慣は、もっと手前にあります。下書きや編集依頼に出典を加えるとき、私たちはその日のうちにarchive.orgでスナップショットを取得し、生きているリンクと並べてテンプレートに記入します。リンクがすでに機能しなくなり、その一文が疑問視されたあとでボットが対応するのを待つのではありません。弱い出典をアーカイブしても、それが強くなるわけではありません。初日に保存されたプレスリリースは、やはりプレスリリースのままです。しかし、本当に独立した、内容の濃いプロフィール記事をアーカイブしないままにしておくと、サイトの移行、会社の倒産、所有者の変更といった一つの出来事だけで、本来その記事が支えていた事実とは何の関係もない理由から、検証不可能になってしまいます。