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存命人物に関する特例

公開日 2026年8月30日 · 1

「WP:BLPにより除去——出典なし、論争あり、存命人物」。この編集要約に先立つ議論は必要ありません。待機期間もなく、そのページに関わる誰かの許可も要りません。書いた本人は、誰かがそれを差し戻さない限り、除去の理由を説明する義務すら負いません。そして確かな出典なしに差し戻すことこそが、規則違反として扱われます。

Wikipediaの他の部分では、既定の原則はまったく逆です。通常のコンテンツは、誰かが異議を唱えるまでそのまま残ります。立証の責任は、争われた記述をあとから復帰させたい側が負います。存命人物の伝記では、これとは正反対の前提が働きます。存命の人物を傷つけかねない、出典のない、あるいは根拠の薄い記述は、記事本文でもその会話ページでも、議論が始まる前に、誰であっても即座に除去できます。

この仕組みは実務の中で絶えず目にします。ある物流企業の経営者の伝記に、ある日の午後、「捜査を受けている」と主張する段落が加えられました。出典は匿名の情報提供者を引用する掲示板の投稿だけでした。それまでそのページを一度も編集したことのなかった巡回編集者が、四時間以内にBLPを理由にその段落を除去しました。削除依頼も、コメント依頼も経ていません。ただ一人の編集者による出典の読み取りだけで十分でした。

存命人物に関する論争を招く記述で、出典がない、あるいは出典が不十分なものは、議論の開始を待たず直ちに除去すべきである。
WP:BLP、大意

この原則は双方向に働きます。ある創業者が業界を「一変させた」と主張する出典のない一文は、出典のない中傷と同じ速さで除去されます。BLPが測るのは論調ではなく出典の有無だからです。この原則を都合よく使い分ける編集者——不利な記述だけを除去し、出典のない称賛はそのまま残す者——は、それ自体が注目を集めることになります。この方針が守るのは対象者の正確さであって、快適さではないからです。

存命の依頼者のページを管理する立場からすれば、これは実際に使える手段です。ただし、使いどころは慎重に見極める必要があります。真に出典がない、あるいは根拠の薄い論争的な記述であれば、編集要約に方針名を示したうえで即座に除去して構いません。一方、出典のある不利な記述ばかりを狙い撃ちして除去するパターンは、BLPの適用とは似て非なるものであり、こうしたページを見守る管理者はひと目でその違いを見抜きます。

この特例が存在するのは、存命人物に関する誤りを、消滅した企業や過去の出来事に関する誤りとは異なる種類の問題として、Wikipediaが扱っているからです。一週間かかる議論では、修正が遅すぎます。この特例が対象者にもたらすのは、本来載るべきではなかった記述の除去、それ以上でもそれ以下でもありません。記録を書き換えるものではなく、適切な出典が——あるいはその不在が最終的に——明らかになるまで、根拠のない主張を記事から遠ざけておくだけのものです。

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各エピソードは編集部の執筆。AdrianとNoraの音声はAI生成です。